富山国際大学国際シンポジウム『国際紛争とナショナリズム』を開催しました
2024年9月28日(土)、富山県民会館にて富山国際大学国際シンポジウム『国際紛争とナショナリズム』を開催しました。会場には社会人や学生など約50名が参加し、対面でのシンポジウム形式で行われました。
まず神戸学院大学経済学部教授でウクライナ研究の第一人者の岡部芳彦先生より、「ロシア・ウクライナ戦争の背景と現状」についてご講演いただきました。キーウより数日前に帰国された岡部先生は、現地の今の様子やロシアのウクライナ侵攻の背景にある歴史や思想について、動画を交えてわかりやすくお話しくださいました。続いてソウル聖公会大学教授で駐神戸総領事も務められた梁起豪(ヤン・ギホ) 先生より「2025年韓日修交60周年に向けて-金大中・小渕共同宣言と新しい韓日関係の構築」とのタイトルでご講演いただきました。梁先生は1998年共同宣言の成果と現在の北朝鮮の動向、民主主義という価値観を共有する日韓両国の未来志向のグローバル・パートナーシップ構築の重要性についてお話しくださいました。
最後に講師のお二人と本学現代社会学部准教授でウクライナ出身のボグダン・パブリー先生によるパネルディスカッションを行いました。長期化するロシア・ウクライナ戦争への関心の低下などが語られ、参加者よりパネリストへ熱心な質問も飛び出しました。最後に岡部先生より「考えてみてほしい、もし友人の国と戦争になったら、あなたは友人に何を語るか」との問いかけがあり、シンポジウムが締めくくられました。
ご参加の方々より、「過去の教訓から平和実現への道が模索され、向かっているという希望は、ウクライナ戦争とイスラエル戦争により後退し、希薄になり、絶たれつつあるという世界の現実が伝わってきました。」、「為政者の偏った思想で平和は簡単に壊される。平和は当たり前ではなく、国を越えた多くの人の協力で守られるべきものだと実感した。」などの真摯なメッセージをいただきました。難しいテーマでしたが、ご参加の皆さんと共に視野を広げ、共に考える大きな一歩となりました。
講師の岡部先生、梁両先生、ご参加の皆様、そしてシンポジウム開催をご後援くださいました富山県 、 富山市、 富山市教育委員会 、 富山県ひとづくり財団に心より感謝申し上げます。