富山県寄附講義「保護者との関係づくりに悩んでいる若い先生たちへ」を開催しました
2024年6月29日(土)に、第1回目の富山県寄附講義として、大阪大学名誉教授 小野田 正利 先生から「保護者との関係づくりに悩んでいる若い先生たちへ」と題して講演をいただきました。
これから対人援助職と言われる学校・保育、社会福祉の現場に立とうとしている学生と、日々現場で活躍されている教員、その指導に当たっている管理職の方々、富山短期大学、そして本学の教員も含め85名の参加があり、発見と納得と笑いにあふれた寄附講義になりました。
教員が苦慮し、教員志望者が不安視する「保護者対応トラブルの現状」について、小野田先生か具体的な事案の共通点やその対応の仕方や考え方、心構えについて、詳しく、分かりやすく、そして熱く、解説していただきました。難易度が上がり続けている保護者対応トラブルは、同じケースが全くなく、それぞれに個別性をもっていますし、時間経過とともに流転していくものです。教員がトラブル事案を見立てる力(アセスメント力)をもちながら、トラブルを小さくするための工夫をいくつも立てて実行していく力(プランニング力)について、大切なポイントをたくさん学ぶ、大変貴重な機会となりました。
<受講者の感想から> 「大学内ではなかなか聞くことのできない、トラブルの実態やその対応について学ぶことができました。クレーム対応が人生の3割あると聞き、対応力を身につけていかなければならないことに気付きました。楽しいことばかりではないと思いますが、仕事と自分の趣味とのバランスをとりながら、長く生きていきたいと思います!」 「児童に特性がありトラブルが起きることはあると思っていましたが、クレームが保護者に特性があることでトラブルまで悪化する可能性があるという視点は初めてのものでした。また、心が折れてもいいから復元力を培おうという話を聞き、この考え方は教師以外の社会で働く人全員にとって、あると生きやすくなる考え方だと感じました。実りのある時間をありがとうございました。」 「保護者対応の際は100%で受け止めるのではなく、約70%の力で受け止めることが大切であること、余裕を持って対応することで目に見える問題だけでなく、原因が見えてくるのだということが分かりました。また、子どもと関わるとき、冷静で公平で客観的に見れていないと感じるときがあるので、親しい人に話したり好きなことをしたりして、ストレスを減らしていきたいです。」 「自分は、教師として現場に立ったときに、モンスターペアレントがいたら怖いな、自分が精神疾患にかかって休職することが起こったらどうしよう…などと思っていました。しかし、そもそもモンスターペアレントはいないという考えで保護者が子を思うことは当然であるという考え方ができるようになりました。また、適切な対応というものがあり、その方法や考え方なども学ぶことができました。多くのことを学び、とても有意義な機会になりました。」 「とても貴重なお話を聞くことができました。私は保育士を目指していますが、保育士志望でも保護者関係は切っても切れない関係だと思い受講しました。保護者からのクレームを1人で対応するのではなく、相談して複数人で対応し、70%で聴くということが印象に残りました。私は私が原因で起きたクレームであれば1人で抱え込んでしまう性格であり、自分が原因ならなおさら100%の力で聴いてしまいます。しかし、それでは自分自身がいずれ壊れてしまいます。自分を守るためにも誰かと悩みを分け合いながら、70%で対応していきたいと思うことができました。何事にも全力で取り組まなければならないという考えから70%でいいんだと気楽になることができ、とても自分の将来のためになりました。ありがとうございました。」 |
子ども育成学部では、今後も個々の資質・能力の向上や深い学びにつながる富山県寄附講義を行って参ります。