2023.06.16
研究・授業
環境デザイン実習「公害問題を自分ごととして考える」
環境デザイン実習では、公害問題を自分ごととして考えることを、実習のテーマの一つとしています。6月15日の実習では、イタイイタイ病対策協議会会長の小松雅子氏をお招きし、イタイイタイ病に関わる様々なお話を伺いました。
認定患者だった小松会長のお祖母様の話をはじめとして、同じく認定患者だったご近所の女性の話や初代の対策協議会会長であった父・小松義久氏についての様々な思い出が語られました。会長だったが故に経験しなければならなかった義久氏の辛い体験、大企業を相手に裁判を起こすにあたり、原告となる住民たちの気持ちを一枚岩にするための並々ならぬ苦労、そして一人ひとりの患者たちに向き合い寄り添うことを忘れなかった優しさ。
小松会長は最後に、このイタイイタイ病を過去の出来事として風化させてしまうのではなく、二度と同じ過ちを繰り返さないために、先人たちの苦労や体験を語り継いでいくことの大切さを強調されました。
小松会長のお話をお聞きして、現代の我々が日頃当たり前のように享受している自然環境の尊さ、汚染されていない環境の中で生活できることの有り難みを感じ、環境保全への気持ちを新たにしました。
環境デザイン専攻の学生たちは、今回録音された小松会長のお話を文字化したうえ、一人語りの文体に変換し、聞き書き作品としてまとめていきます。完成した作品は、小松会長に贈呈する予定です。
文責 大谷 孝行