2022.12.06
図書館
教員選書企画・第2弾『図書館で漫画? いいえ、グラフィックノベルです』がいよいよスタートします!
本学図書館では、11月より現代社会学部所属の教員による選書企画『図書館は教養の宝石箱』を開催します。今月は、英語国際キャリア専攻の渡部恵子先生による選書企画『図書館で漫画? いいえ、グラフィックノベルです』です。是非、手に取ってグラフィックノベルの世界を存分に味わってみて下さい。
(企画担当:渡部先生のコメント)
コマ割りの漫画の形式で描かれた書籍をグラフィックノベルと呼びます。「なんだ、漫画か」と言うなかれ。善悪では割り切れない複雑な現代社会の問題や歴史の真実に切り込む豊穣な世界へようこそ!
ホロコーストの生き残りの父親と息子の物語『マウス』は、1986年出版の、このジャンルの“古典”でピュリツァー賞を受賞しています。岩波書店出版が出した『マーチ』は、アメリカの公民権運動の指導者ジョン・ルイスの人生を描いた力作。下院議員を連続17期務めた伝説的人物(2020年死去)で、BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動の歴史的背景を知るにはうってつけの三部作です。
シリア人少女の視点で、日常の哀歓や難民となった後の苦難を描く『ゼノビア』では、甘さのみじんもないエンディングに言葉を失うでしょう。文字で書かれた小説にはできない表現の形を、自分の目で確かめてください。
ネット社会の怖さを描いた『サブリナ』は、『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した村田沙耶香さんが新聞の書評で「多分一生忘れられない本」と衝撃を表しています。現代の家庭を描いた『ファン・ホーム』は、レスビアンの主人公と、読んでいてまったく共感できないゲイの父親とのねじれた関係が、なぜか胸を打つ忘れがたい作品です。
読み出せばやめられないグラフィックノベルを揃えました。さあ、図書館に急げ!