第5回『TUINS Book Cafe』を開催しました!
『TUINS Book Cafe』とは教員がカフェ・オーナーとなり、教員自身が「学生時代に読んでおいてよかった!」「この本を読んで人生が変わった!」…など「とっておきの1冊」を選び学生の皆さんに紹介するという企画です。
11月18日(水)に開催された第5回『TUINS Book Cafe』では、経営情報専攻の伊藤葵先生をカフェ・オーナーに迎え、選書である『ぼくは勉強ができない』(山田詠美著)をご紹介いただきました。
「『かっこいい生き方』って何だろうと模索していた学生時代、私の価値観の形成に大きく影響を与えた一冊」として選書いただいた同著は、高校生が主人公の小説です。その主人公、時田秀美は勉強ができません。しかしモテます。年上の桃子さんと交際している彼には勉強なんかの大事さがいまいちわかりません。教師や友人の中には世間一般の常識や価値観を重視し、そこから逸脱しがちな秀美を疎ましく思うものもいます。秀美は彼らとぶつかったり、屁理屈で煙に巻いたりしながら、桃子との恋愛を楽しんでいました。友人の死や桃子との関係、進路など様々な悩みに出会うたび、秀美は周りの人間とのかかわりの中で独自の答えを見つけ出していくというものです。
参加した学生からは、「自分の考え方を振り返ることができてよかった」「『生き方』や『かっこいい』とは何なのか改めて考えさせられた」「伊藤先生とは授業以外に交流がなかったので話してみたかった」などの感想が聞かれました。
伊藤先生が学生時代から考え続けた「カッコ良さ」の定義について、参加した学生、教員の間で色々と議論になりました。これは、いくつになっても関心の高いテーマなのでしょうね。伊藤先生自身は、「自分は面白い人間になれているのか」「自分はつまらない人になっていないか」自問自答し、「“カッコいい”という基準は多様であるが、つまらない人間にはなりたくないと思っている」と小説を読んだ学生時代と今を対比させながら語っておられました。
それでは、筆者自身が考える「カッコ良さ」とは…?う~ん、と考えてもすぐに明快な答えの出ない問いなのでしょうね…。それでも、あえて答えるとすれば「男性はカッコ良くあらねばならない」というある種の社会的な価値観に縛られない生き方こそ、「本当のカッコ良さ」なのかもしれません。これを機に、「カッコ良さ」がどんな風にこの小説の中で描かれているのか、見てみようと思いました。
次回は、12月2日(水)13:00~14:00に第6回として環境専攻の尾畑納子先生をカフェ・オーナーに迎え、近代化から取り残された地域で環境と共生しながら「身土不二」という考えに基づき生きる人々の暮らし方について書かれた『身土不二の探究』(山下惣一著) をご紹介いただきます。「これを機に、暮らしと環境について考えるきっかけとになれば…」とのメッセージをいただいています。学生の皆さんは対面(402教室)の他、Zoomでも参加OK(教務課前にQRコード掲示)ですので、是非アクセスしてみてください。 |
(文責/一井崇・観光専攻)